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みんなとぼくだけのお日記。

ようこそ!!!!

陰陽師のクリアファイルを踏んづけた思い出

トラウマじゃないけど今でもずっと覚えてる事ってある。

 

小学生の時 2歳年下の弟が陰陽師って映画にめちゃめちゃハマっている時期があった。
僕には何の魅力もわからなかったし何で陰陽師にハマったのかもわからない。だけど弟は心から陰陽師を楽しんでいたし、ずっと一人で陰陽師ごっこをしていた。

 

ある日テレビを何気なく見ていると陰陽師の続編陰陽師2」が公開される事がわかった。弟は跳ねて喜び、日々行われている陰陽師ごっこにも一段と磨きがかかっていた。

 

陰陽師2は絶対最初に行くから!絶対に!ねえ!お願い!」

弟が何かにハマる事に関して僕を含め両親も嫌な顔はしなかった。何故なら低学年の子供が陰陽師と言う映画にハマってるのが見ていて楽しかったからだ。

 

両親は快く承諾し、僕の一家は陰陽師2を公開初日に観に行くことが決まった。

 

そして公開当日

内容はと言うと全く覚えていない。覚えてるとすれば陰陽師達が陰陽の限りを尽くして空中を飛び回っていた事しか覚えていないし何でそうなったかなんてこれっぽっちも記憶にない。

それでも弟は大満足の表情で、本編が終わりエンドクレジットが流れ終わった後、劇場が明るくなっても目をキラキラさせたままスクリーンをじっと見ていた。

「かっけえ…」

そう言っていたけど僕はこの後家族みんなで行くピザ食べ放題のお店シェーキーズがこの日のメインだったので早く離席しねぇかななどと思っていた。

 

我が家がパンフレットを買うタイミングは映画を見終わった後だ。

映画を見る前にその内容に触れたくないし混んでいたら「また今度ね」という理由で親が余計なお金を使うことなく済むという理由もある。

それでもこの日の弟はそれを許さなかった。

 

「パンフレット買う!!ストラップも!!」

 

我が家は裕福ではないし、なるべく無駄なものは買ってはいけないと教育されている。
なので僕は「ウチお金ないんだから無理だろーな」っと思っていた。しかしこの日の弟は違う。

 

「ねぇ、お母さん。おねがい。本当にお願いします。」

 

無理な空気を察したのかただ泣きじゃくって騒ぎ立てて駄々をこねても無駄だと思ったのか本当に欲しいと言う気持ちからなのか。今となってはわからないが弟は誠心誠意、自分の気持ちを伝えていた。

 

「わかった。いいよ(笑)」

残念ながらストラップは売り切れでその日買ったのはパンフレットとクリアファイルだ。

 

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これがそのクリアファイル。2枚組だ。

 

それはそれは大喜びしていた。特にクリアファイルをやけに気に入っていた。

その後のピザ食べ放題のお店でも帰りの電車でもずっと大事そうに持っていたし。

家に帰ってもそれを使って陰陽師2ごっこをしていたしそれを抱きしめてその日は寝ていた。さながらトイ・ストーリーのアンディが大事にしているバズとウッディそのものだった。

 

翌日、

相変わらず陰陽師熱が冷めない弟は飽きることなく陰陽師ごっこをして疲れては、汗を拭いながらパンフレットを見ていた。

 

その時だった。

 

今までかわいかった弟のその行動に急に腹がたったのだ。

多分自分には陰陽師の良さがわからなくて弟がそれにハマっているのが異様に羨ましかったのだろう。そして僕はこう思った。

 

陰陽師を踏みたい」

 

今だってその時の感情はよくわからないけど、多分度の超えたイタズラをしたかったんだろう。悪い性格だ。でもただ踏んだのでは何も変化が無いのがクリアファイル。

弟のいないところでいくら踏んでもあんなもの見た目には変わらない。

弟の前で踏むことで「俺は陰陽師には興味が無い!」そう弟に見せつける必要がその時の僕にはあった。再度言うが本当に性格が悪い。

 

作戦はこうだ。

毎朝起きると寝室に引いてある布団を畳んで押し入れに入れるのだが、その時に布団で足元が見えないという事をいかし「気付かなかった」という理由で陰陽師クリアファイルの上をあえて通りそして踏み潰す。

 

僕の中では作戦は完璧だった。夜、陰陽師を抱いて床についた弟を横目にその日は寝た。

 

次の日

僕は寝過ごした。もう自分が寝ている布団以外は畳まれていて起きたら弟が早速陰陽師ごっこをしているではないか。

僕は慌てながらも冷静に起き上がり、布団をたたみ、そして布団を持ち上げる前に陰陽師クリアファイルの場所を確認。

しめたっ!
ごっこ中にもかかわらず弟はその一枚を放置していた。

しっかりとその場所を頭に入れて僕は布団を持ち上げ、
クリアファイルを
踏んだ!!!!!

 

すると弟が「あ!!」と言ったのと同時に僕はズルルルルルルルーーー!!!と滑り、ダンッ!と大きい音を立てて転んだ。

こんなに滑るとはおもわなかったが僕は満足だった。

すると弟は泣きながら

陰陽師がああああ陰陽師があああ」

とクリアファイルを抱きかかえた。

 

そこには僕が踏んづけただけではなく、滑ることで捻りが加わりへっしゃへしゃになった陰陽師の姿があった。

 

そこまでするつもりはなかった。

ただ踏むだけでよかった。

 

クリアファイルの性質上一度折り目がついたら元には戻らない。

それがへっしゃへしゃのクッシャクシャになってるのだから弟は大泣きした。

そこへ母親が飛んできた。

「どうしたの!?」

僕は怒られることを覚悟した。そりゃそうだ。元からこんなことするもんじゃない。最低な兄だ。そう冷静になっていた所に母親は、

 

「お兄ちゃん大丈夫!?」

といったのだ。僕は唖然としたがそんな暇もなく母親は弟に向かって

 

「お兄ちゃんが大怪我したらどうすんの!!!いい加減にしなさい!!!」

そう、弟を怒鳴った。

 

弟は悲しみに悲しみが重なり自分の痛みは誰にも理解されないその時を、ただただ泣いて過ごしていた。

 

僕はもういてもたってもいられなくなりその場を後にリビングに向かったが、その時真っ赤な目で僕を睨んでいた弟の顔は今でも覚えている。

 

あれから何年も経っているが弟に会うたんびに思い出す。

 

悪い事したなあ…