ちょうど売れてないバンドマンに聞いた、バンドマンの良いところ2選!
「うーん…ズズーッ…ズッ…」
「…ふーーッ……」
「良い所…少ねぇー…」
先日、一通のメールがあった。
そのメールには、バンドマンで売れる為に活動してるが、全然売れず、鳴かず飛ばずの状況を打破するべく、僕みくのしんにブログで宣伝して欲しいというものだった。
そもそも、僕に頼んでる時点で大丈夫か?とは思うのだが、僕は喜んで今回の仕事を引き受け、色々お話を伺おうと大阪府は大阪市、梅田に来ている。
The BEG (ザ・ベグ)
2009年に結成。約10年はこの名前で活動はしているが、現メンバーでは3年になる。
イシカワリニスタ、ダンゾー、コータローからなる所謂スリーピースロックバンドで、主に大阪をメインに活動している。ちなみにその音楽は…
素人ながらにもわかる。普通にかっこよくない!?ジャンルで言うとロック?だかなんだかわからないけど、ファンも多そうで楽しそうで最高…
聞くところによるとこの度、エマージェンザという、世界最大級のインディーズ・バンドのコンテストがあり、その大会の大阪決勝への出場が決まったとの事。凄っ
ん?さてはこのバンド、実は右肩上がりで全然売れてるのに、暇つぶしに俺を小馬鹿にしてるのか?さてはそうだ!そうに違いない!今日もトゲのビッシリ生えたジープで重低音を掻き鳴らしながら来るんだろうなー!
「あ、すみません…おまたせしました」
「あ!」
「お疲れ様です…The BEGのイシカワです」
こちら、The BEGのバンドリーダーである。ボーカルのイシカワリニスタさん(@TheBEGvo)トゲの生えたジープでは無く、壊れたビニール傘を差しての登場。
み「本日はよろしくおねがいします。なんか思ってたイメージと違って、なんというか…その…冷静(クール)だ」
イシカワさん「そうですね…普段からあんなテンションやったら疲れちゃいますからね…」
当たり前かもしれないが、少し拍子抜けだった。
なんだか、もっと「お疲れっス!今回はよろしくおねがいしまっス!テキーラ乾杯!!」みたいな感じで来ると思ってたら、そうじゃない。何か物悲しげな風貌で、なんだか雨の似合う方だった。
・良い所が無い。
僕らは場所を変え、喫茶店へ入ってお話を伺うことにした。
み 「改めまして、本日はよろしくお願いします。今回の記事なんですけど、バンドマンの良い所何選!みたいな記事にしようと思ってます!…如何でしょう?」
イシカワさん「いいですね!…でもあるかな…」
み「またまた~!あるでしょ1000個くらい!」
イシカワさん「うーん…パッと思いつく限り…2個くらいしか思いつきません…」
み「え…」
「2かぁ…ズズーッ…ズッ…」
「2ですね…ふーーッ…」
イシカワさん。み「「良い所…少ねぇー…」」
イシカワさん「いや、これは僕の主観ですし、みんながみんなそうであるという訳は無いんです…ですが…」
み「はい…」
イシカワさん「アハッ…」
み「?」
イシカワさん「アハハハハハハハハハハハハ!!!」
み「え!?イシカワさん!?突然何!?」
イシカワさん「はぁ…無いですね…良い所…」
み「大丈夫?」
・自覚がある人はいる。
み「とりあえず、今イシカワさんの中である、バンドマンの良いところを上げてみましょう!」
イシカワさん「そうですね…」
イシカワさん「即興でオリジナルソングとか作れます」
み「なるほど!」
イシカワさん「それと有名な曲ならサッと弾けますよ。宅飲みの時とかにポケモン赤・緑の「1ばんどうろ」とかのゲーム音楽弾いたりして盛り上がることもあります。まぁ宅飲みする友人なんていませんけど」
み「なんて悲しいんだ」
イシカワさん「はい、それともう一つは…」
イシカワさん「自覚がある人は、います」
み「急に漠然としたな…どういう事ですか?」
イシカワさん「売れてないバンドマンってどうしても、『いい曲を作ってれば誰かに認めてもらえる』とか、『今のまんまで良いんダゼ!』みたいな層の集まりだと、思われてると思うんですよ」
み「そこまで思ってはいませんが…」
イシカワさん「でもバンドマンって結構、自覚してるんです。自分の立場やこのままじゃ駄目って事に関して、焦ってます。周りのみんな、僕を含めて…」
み「つまり…みんな演奏中、上半身裸になったりしてる時とかも『あ~将来不安だな~』とか『こないだ誕生日だったけど免許の更新今年っだけな~』とか思ってたりしてるって事ですか…?」
イシカワさん「そういう訳でも無いですけど…そういう事で良いです」
・好感度上げ、楽。
み「とりあえずこれで全部ですか…少ねっ。ちょっと気分転換にお店変えますか」
イシカワさん「そうしましょう」
初対面という事で、緊張もしていて、話が円滑に進まないのでは?という免罪符を片手に、串カツ屋さんで軽くお酒を飲む事に。
このお店、照明のコントラストが強い。そしてとても串カツ屋とは言えぬ店内。
めちゃめちゃ目がチラつく。
み「お疲れ様です。そういえばイシカワさん、先程道中で通行人に声をかけられてましたよね?」
外に出るや否や、通行人の方に道を聞かれるイシカワさん。
み「優しい所あるんですね」
イシカワさん「普通じゃないですか?逆に道聞かれて無視する人、今日日漫画にも出てこないですよ」
み「そうですかね?もし、イシカワさんがGANTZに出てくる不良の場合、意味もなくボコボコにするはずです」
イシカワさん「GANTZに出てくる不良はそうですけど、現に僕はThe BEGのイシカワですし、ていうか今こんな話する意味あります?」
み「いやいや、今バンドマンの良い所思いつきましたよ」
イシカワさん「え?なんですか?」
み「はい」
み「これです」
イシカワさん「なんてこと言うんだ」
み「ドラえもんの映画でジャイアンが優しいと『え!いいやつじゃん…』ってなるように、普段舞台でロックしてる人間が人助けとかしてるだけで、好印象になるじゃないでしょうか」
イシカワさん「単にギャップが付きやすいって事ですかね」
み「そうです!でもそれが良いんです!試しに好きなミュージシャン教えてくださいよ!」
イシカワさん「えーと…」
イシカワさん「YUKIかな~…」
み「良い良い良い良い!!!何言っても意外性がでますね!採用にしましょう」
イシカワさん「何基準で採用なんですか?」
・エマージェンザとは
み「今回、イシカワさん率いるThe BEGが、エマージェンザ・ジャパンの大阪大会決勝に行ったという事なんですけど、実際それってどのくらいの規模も大会なんですか?」
イシカワさん「世界最大級のインディーズ・バンドのコンテストと言われてますね。お笑いで言うM-1みたいな物だと思ってください」
み「おー!なるほど!それだとわかります!で、それの大阪大会決勝って凄いんじゃないですか!?」
イシカワさん「凄くないって言うと角が立ちますが、正直まだまだです。大阪意外にも「東京」「福岡」の3箇所で大会があって、それぞれで勝ち上がったバンドが、東京で行われる国内決勝でぶつかり優勝を決める。みたいな事なので、正直大阪大会の決勝に行っただけじゃまだ喜べないのが現状です」
み「それでも素人なんで凄いと思ってしまう…東京の本選で優勝したら何か賞金とかあるんですか!?」
イシカワさん「いや、凄い事なんですけどね…エマージェンザの大会は世界的なので、実は東京で優勝しても戦いは終わらないんです!」
み「と言うと?」
イシカワさん「勝ち進むとTaubertal Festivalという、ドイツで行われるフェスにて、今度は世界各国で優勝してきたミュージシャン達と戦うのです!」
み「世界か…」
イシカワさん「ちなみにそこまで行けば、食費、宿泊費を含む旅費が、全て無料!!そしてそのドイツのフェスで優勝すると…」
み「すると…?」
イシカワさん「2週間、ヨーロッパでツアーをやらせてもらえるんですよ!!こんな名誉のあるコンテストありますか!?あ~~!素晴らしい!!優勝したい!!もうバイトヤダ!勝たせてくれー!!」
み「イシカワさん、バンドマンの良い所、あるじゃないですか」
イシカワさん「え?なんですか?」
み「バンドマンに限りませんが、好きな事をずっと好きと言えるだけでも、相当な才能だと思います。尊敬します。本当に」
イシカワさん「なので、今回みくのしんさんに頼んだ次第です」
み「そういう所の選球眼が、まるで無いのはたまに傷ですね」
・嫌な事あったら、歌にできる。
み「そもそもイシカワさんは、なんで音楽をやろうと思ったんですか?」
イシカワさん「最初は中学の時に、オヤジのギターを勝手に借りて、弾き始めたのがきっかけですね」
み「わからないけど結構早いのでは!?なんか動機も『モテたいから』とかじゃなくて良いじゃないですか!」
イシカワさん「いや、そうでもないんですよ…僕は今、『モテたいから』で始めてるヤツのほうがカッコいいとさえ思いますよ」
み「え??それは何故?」
イシカワさん「ギター始める奴って多分大きく分けて2種類いると思うんですよ。一つはみくのしんさんの言う『ただモテたい派』、それと『俺たちは他の奴らとは違うんだぞ派』の2つだと思っています。そして僕は後者でした」
み「あー…なんとなくその派閥わかる気がする…ていうか、他の奴らとは違う!言っておきながら派閥に仕分けされてんのウケますね」
イシカワさん「確かにそうですね。お恥ずかしい… でもそうやって、俺らは他とは違うんだ!って人を見下してたんですけど、実は一周回ったふりして、実際どこにも辿り着いてない事に気付いて、一方モテたい派の奴らって考えが柔軟で、色々な事にチャレンジしたりですぐ追い抜かされちゃうんですよね…そりゃ個人差はありますが…」
み「なるほど…という事はこういう事かな…?」
イシカワさん「そんなこと言いました?」
み「いやいや!そういうマイナスな感じではなく!普通の人だったら落ち込んで内側に溜めてしまう思いを歌にして昇華できるって凄くないですか?」
イシカワさん「そうかもしれないですけど…うーん」
み「って、昔に見た映画で言ってました」
イシカワさん「パクリでもあるんかい!」
み「すみません!(関西の人にちゃんとツッコまれた/…うれしぃ///)」
・がんばり屋さん。
僕らは串カツ屋を後にし、最後はたこ焼き屋さんでお話を伺う事にした。
み「うん!美味しい!」
イシカワさん「それは良かったです!僕昔、たこ焼き屋さんでバイトしててそれ以来食べて無かったので…久しぶりに食べると美味しいですね」
み「あれ?イシカワさん、爪の色剥がれてるじゃないですか…実は結構苦労してるんですね…ちなみに今はどんなアルバイトしてるんですか?」
イシカワさん「今はライブハウスでアルバイトしています…バンドだけでは食っていけないので…」
アルバイト中のイシカワさん。こういう立て看板の文字って全部イシカワさんが書いてたのか…
字、ちッッッさ! 出場バンド50組位出るのか??
み「お疲れ様です…」
イシカワさん「アルバイトの何が良くないって、毎日ライブハウスでバイトしてるだけで、なまじ好きな事しながら生活できちゃうんですよ…これが一番の罠ですね」
イシカワさん「あと僕たち、ハタチそこそこの時にワンマンライブを開いたんですけど、その時ってなんだかんだ120人お客さんが来て、ライブハウスも良い感じに盛り上がるんですよ」
み「え!?それってめっちゃ良いことじゃないんですか?」
イシカワさん「それは本当にありがたいんですけど、ただ、フタを開けてみれば、そこにいるのは殆どがメンバーのバイト先の友人や関係者で、実際に純粋なファンて半分以下とかだったりするんですよね…もちろん来て頂いた以上きちんと満足してもらえるようには演奏したんですが…」
み「厳しいな…」
イシカワさん「でも、今仮にバイト辞めたら食っていけないし、スキルもないからマジマジやばい…ライブハウスと言う環境で音楽に触れすぎているのもヤバイ…そういった意味で今回のコンテストではマジで勝ちたいんです!」
み「うんうん…つまりこういう事ですか…」
み「がんばり屋さん」
イシカワさん「絶対小バカにしてます。僕の話つまらなかったですか?」
み「またまた、勘違いしないでください。イシカワさんや、The begはがんばり屋さんです…これは本当なんですけど、こないだコンビニの列に並ぶおじさんが空っぽになったタバコの箱を握り潰しながら『The BEGは化ける…何故ならあいつらは、がんばり屋さんだから…!』って言ってましたし」
イシカワさん「嘘こけ。マジで何いってんすか?」
み「冗談はさておき、そんながんばり屋さんのイシカワさん率いるThe BEGが、今回命を掛けて出場するコンテストの詳細はコチラです!」
イシカワさん「突然過ぎる」
■コンテスト概要■
・演奏終了後の挙手の数で順位を競うEMERGENZA JAPAN
・大阪決勝は6/23味園ユニバースにて!1位通過で勝ち進むと6/30に東京で日本決勝!
・そこでも1位通過するとドイツで行われる3万人規模のフェス【Taubertal Festival】に出演決定!
・チケットは寺田町Fireloopというライブハウスで働いているイシカワに申し付けていただくか、通販サイトのコチラからお買い求めいただけます!
み「改めてやっぱり凄い。こうなると優勝して欲しい!ですけど、なんだかんだThe BEGの事あまりわからないし…ライブ映像とか、曲のPVでもあれば話は別だけど…」
イシカワさん「ありますよ!コチラです!」
The BEG【パンク】
The BEG【ハローグッバイ】
The BEG【ライブ映像】
み「良いですね!やっぱりカッコいい!」
イシカワさん「ありがとうございます!」
み「しかもなんですか!?この記事を見てる人限定で!?The BEGのCDを無料でプレゼントするそうじゃないですか!!!すっっっっっっっっっっっっっっげえええええええええ!!!!」
この記事読んでる人限定!
送料もCD料金も無料!3曲入りCD郵送申し込みフォームはコチラ!
イシカワさん「いや、この記事とか関係なく昔からやってますよ」
み「だとしたら太っ腹っていうか、なんというか、え?なんで?叩き売り?辞めるの?」
イシカワさん「いえいえ!辞めません!!是非皆さんお越しください!よろしくお願いします!」
・最後に
僕だけかもしれないが、失礼ながらバンドマンと聞くと、「付き合っちゃいけない職業」みたいなイメージがある。
演奏している姿や、そのカッコいい印象とは裏腹に、何故マイナスなイメージを持たれやすいのか。 ろくに仕事もしてない僕が人の事言えたもんじゃないのですが。
僕の場合、おそらくインターネットが原因だ。バンドマンについての記事やコラムを見る耽美、あまりよろしく書かれているイメージが無い。僕の勉強不足だったら申し訳ないのだが、なんだかそんな印象なのだ、「バンドマン」と言う響きは。
ただ、僕はそんな人達が好きだ。
浅い所でしか知らないし、知識も無い。ただ、ライブハウスに足を運び、生で見るその演奏は、誰でも虜になると思う。惚れる女性が多いのも無理も無い(現に一度女性のバンドマンに惚れた事もある。マジで音楽ってカッケーよ。フられたけど)
未だある、バンドマンへの偏見が少しでも無くなって、少なくともこの「The BEG」さん達は踏ん張り、歯食いしばって、もがいているという事だけ、わかって頂けたら、僕もなんか嬉しいです。
いやいや、僕はどの立場から物を言っているのだろうな…
イシカワさん「今日はありがとうございました!」
み「いえいえ!そんな深々と!こちらこそ楽しかったです!」
イシカワさん「意外とバンドマンには自覚がある。ってことがわかっていただければそれで僕は満足です!あとよろしければ6/23大阪決勝来て欲しいですね」
み「そうですね。僕も行けたら行きます!!」
イシカワさん「ちょっと!それ来ないやつじゃないですか!」
み「アハハハ」
イシカワさん「アハハハ……それでは、改めてありがとうございました。お疲れ様です」
そう言うと、The BEGのイシカワさんは、シトシトと帰っていった。
どこかで見たようなバンドマンの話、何番煎じかわからないけど、The BEGさんの口から出たそれを聞いて、そこに僕は感動し、応援したくなった。
よし、それじゃあ、僕も帰って今日の事をまとめないとな…バンドマンの良いところ。ね
うんうん
よ~~し!!
えーと…
いや、
バンドマンの良いところやっぱ全然無ぇええええええええええ!!!!!!!
おわあああああああああああああああ!!!!!!!
ああああ!!!!!
…!!
(おしまい)
最後にもう一度!The BEGの事やイベントの事をおさらいしよう!
【コンテスト概要】
・演奏終了後の挙手の数で順位を競うEMERGENZA JAPAN
・大阪決勝は6/23味園ユニバースにて!1位通過で勝ち進むと6/30に東京で日本決勝!
・そこでも1位通過するとドイツで行われる3万人規模のフェス【Taubertal Festival】に出演決定!
・チケットは寺田町Fireloopというライブハウスで働いているイシカワに申し付けていただくか、通販サイトのコチラからお買い求めいただけます!
【youtube】
The BEG【パンク】
The BEG【ハローグッバイ】
The BEG【ライブ映像】
【無料CD】
送料もCD料金も無料!3曲入りCD郵送申し込みフォームはコチラ!
以上です!
今回は、僕の拙いブログでしか応援できませんで、申し訳ありません!
ただ、めちゃめちゃ楽しかったです!これで大阪行くときの宿が確保できました!これからもよろしくお願いします!
【ご協力】
イシカワ様及び、The BEG様一同。
それでは!6/23!応援しています!!
bye!!